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こんにちは!ブログ担当YUKIです。baseは埼玉県さいたま市のダイビングショップ。シュノーケリング&スキンダイビングからダイビングプロコースまで開催、ドルフィンスイムもあり。ご来店はお気軽に!
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鮭遡上スノーケリングツアー・鮭スイム編
とても遅くなってしまってごめんなさい!
今日は3月11日。
震災の事を振り返る気持ちも込めて、鮭の遡上スノーケリングについてご紹介したいと思います。

実際に鮭が遡上してくるスノーケリングのポイントは、震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市付近の河川です。
川は支流の為かなり小さく、住宅街からそう遠くないけれど、静かでのどかな場所。
すぐ横を小学生が歩いて行ったり、散歩しているおじいちゃんが川を眺めていたり・・・そんな場所でも、鮭が遡上してくるんです。

川は上流ですごく浅く、水深数十センチ。
下に鮭の卵が落ちているかもしれないので慎重に入り、すぐ泳ぐ体勢になります。(こちらは前の写真です)

鮭遡上スノーケリングツアー・鮭スイム編_e0138505_1324238.jpg


泳ぐと言っても実はあまりにも浅くて、ちゃんと浮いてもいられない状態。浮いているのか這いつくばってるのか!?
卵を守るためにフィンは動かせないので、指先で水底をそっと押しながら進みます。

これが、途中にポツポツと落ちている卵。
普段目にするイクラの粒と同じで、とても繊細です。

実は普段見るあのイクラや筋子って、鮭の腹を切り裂いて取り出したもの。
だから、イメージ的にはまとまってぼんっとまとめて卵を産んでいそうな気がするけれど実は全く違っていて、1粒1粒ずつ卵を産み落としていくんです。

鮭遡上スノーケリングツアー・鮭スイム編_e0138505_12591220.jpg


あの筋子のかたまりって考えると、結構な数ですよね。
つまりあの数が1匹のメスの鮭に入っている訳で、あの数を1粒1粒産むって、どれだけの労力が必要なのか・・・

また、上流付近の川はかなり浅いので、鮭にとっては泳ぐのも徐々に大変になってきます。

鮭は、もう私達のすぐ目の前にいました!
力を使い果たしたこの鮭達は、ひっそりと草の陰に隠れていました。

鮭遡上スノーケリングツアー・鮭スイム編_e0138505_1258501.jpg


ここで確認できる鮭は、シロザケという種類。
スーパーなどでは紅鮭が一般的なイメージかもしれませんが、日本近海で捕れる鮭は基本的にこのシロザケになります。

長い距離を遡上してきてゆっくり穏やかに休んでいるかのように見える鮭達ですが、この子達はかなりきれいな方。
実はもうこの上流に上ってくるまでに、大半の鮭は瀕死の状態です。

ここまで必死に遡上してきて、体もボロボロ・・・
中には目が白濁し、ほとんど動くことができない鮭も居ます。

鮭遡上スノーケリングツアー・鮭スイム編_e0138505_1258586.jpg


まるで人が全速力で走った後か何かのように、ゼーゼーしているかのようにかすかに動く鮭も。

鮭遡上スノーケリングツアー・鮭スイム編_e0138505_12585555.jpg


その横にはもちろん、既に命を落としてしまった鮭もかなりいました。
命をつなぐって・・・言葉では言い表せないものがあります。


今回は2日間滞在したので1日は少しだけ下流でも泳いだのですが、今度はまだ鮭はパワーが残っていて泳ぎまくり、あっという間に泳ぎ去る鮭・・・でも鮭の数が少ないので全然写真が撮れない!!
実はもう少し次々と鮭がやってくるイメージでいたので、予測していたのとちょっと違うかな・・・と思いつつ、その場を後にすることに。

ですが実は今回の鮭達、震災後初めて遡上してきた鮭だったんです。
鮭は平均で4〜5年後に戻り、遡上してくるとのこと。
震災は2011年、そしてこのツアーは2015年・・・

調べた所、震災の直前に鮭が放流されていたことが分かりました。
でもあの津波で、鮭の稚魚たちも相当なダメージを受けてしまったのかもしれません。
その為、今年鮭の数が激減してしまっていたのでした。

私達の会った鮭達は、あの震災を乗り越えて戻って来た子達だったんです。
懸命に生きてきた鮭に心からの拍手を送りたくなり、また「鮭が少なくて残念」と思ってしまった事を申し訳なく思いました。
最初はピンとこなかったものの、そんな話を聞き、あの懸命な鮭の姿に頭が下がる思いです。


そして、たくさんの生き物達も被災した、という事実を忘れてはいけないなと思いました。
津波だけじゃなく、原発でも。

またもう1つ気になったのは、遡上してくる鮭はほとんどが放流されたサケ、ということ。
ちょうどお客様に水産関係(しかもサケマス専門)の研究をしている方がいらっしゃって詳しい話を聞いたり、宮城の水産研究所に問い合わせたりしてみたのですが、毎年放流が続いている現在、既にどこからが天然、といった概念はないのでは・・・という意見もありました。(=天然の鮭だとしても、親はその前に放流された鮭かもしれない)

水産関係の方の情報によると、北海道のふ化放流主力河川8河川(千歳、徳志別、伊茶仁、天塩、斜里、西別、静内、遊楽部)の2008年度までの野生魚(自然に増えたサケ)の割合は、21.5%。
本州のデータは正確なものがないとのことでしたが(宮城の水産研究所に聞いても同じ回答:これは震災の影響で作業が進んでいないこともあるようで、今後調べていきたいとのこと)、人工放流の河川でも1〜2割程度の野生魚がいるのではという推測だそうです。

野生魚もちゃんといるんだ、という思いと、野生魚はもう既にそんなに少ないんだ・・という両方の思いが巡りました。
自然はあるがままが一番だと思うけれど、私たち人間がたくさんの海産資源を求めて捕り続けている現在、自然があるがままではもう既にいられないのかもしれない・・・とか思ったり。

サケマスは既に、「育てる漁業」が中心です。
育てる漁業は色々な側面があるのかもしれないけれど、捕り尽くす前に、対策は考えないといけないですよね。
食べるのをやめる?
これだけ一般的にみんな食べてるのに、今すぐ変えるってなかなか難しいよね。
皆さんはどう思いますか?

ちなみに海に行った鮭のうち約8〜9割程度が食用として捕獲され、川に戻ってくるのは1〜2割程度だそうです。


考えた末、今回思ったこと、学んだことをもっと皆さんにお伝えしたい!彼らの姿を通して、何かを感じてほしい!
そんな気持ちで、再び鮭遡上スイムを開催予定する事になりました。

皆さんもあの震災を生き延びた鮭達の姿、ぜひその目で確かめに行きましょう。
今から参加者を募集していますので、皆さん是非ご検討くださいね。

ブログの続きもぜひご覧下さい。

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◆鮭の遡上スノーケリングツアーブログ一覧
①電車の旅編
②ダイビング編
③鮭スノーケリング編
④宿泊・お食事編
⑤レンタカー編

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ダイビングショップbase くさち ゆき
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by divestationbase | 2016-03-11 19:10 | シュノーケリング&スキン
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